2007年9月のメッセージ

首相が仕事を投げ出したときは?

気に入りませんねえ、イヤになったら後任も代理を立てずに国会の承認もなく、逃げ出すなんて、、、、。

なぜこんな無茶苦茶なことを皆が許すのか、不思議で仕方ありません。疲れていても風邪を引いていても、入試の日に休んだら大学には入学できません。不合格です。契約の日に、疲れたからと言って相手の了解なく一方的に突然キャンセルしたら、その契約は反故になります。こんな当たり前なことが守れないよう人は、商売人でもサラリーマンでも学生でも、およそどんな社会でも生きていけません。ましてや総理大臣です。なぜこんなことを許すのか、マスコミも自民党も民主党も、社会の約束事を全く知らないのでしょうか。総理大臣がいなくて国会がストップして、新しい総理選びの選挙に政治家とテレビと新聞が盛り上がっている間にも、世界は激しく動いています。マスコミが浮かれている間にも、国民は毎日額に汗して働いています。我が家の年金は依然、3年払っていないと言われたままです。

彼が総理になって最初に、私はこの今月のメッセージで、彼が幼稚園から大学まで苦労なく同じ学園で進学し受験の経験がないから、日本人すべてが経験してきた受験戦争における精神的屈折や挫折感など何も知らない、日本の教育を語るべき経験がないのでは、と言いました[1]。選挙だって、彼はなんの苦労もなく親と祖父のコネと七光り(の二乗)で当選しています。コネ無しに政治家になった人たちの苦労をまるで知りません。ついでに言うと、後任候補の人たちも親と祖父の七光りで国会議員になった人たちです。

アベさんのようなサボタージュではなくとも、総理大臣がある日突然病気になったり事故にあったりして、国事を執行できなくなることは起こりうることです。しかも今回は国会の開催中です。所信表明演説が終わりこれから審議に入る、その日でした。国民の代表が国の方針を決める定例国会を止めて、なぜいま自民党の総裁選びの選挙をしているのでしょうか。こないだは国会の日程が過ぎても強行採決のために国会を延長していたというのに、今はなぜ国会を休会するのでしょうか。アベさんひとりの我が儘で、国事をストップさせていいのでしょうか。総理大臣の気が狂ったら、この国は思考停止になるようです。

総理大臣がサボタージュしても(それを国会は認めてはいけないと思いますが)、衆議院も参議院も議長も国会議員も各大臣も全員揃っています。アベさんの我が儘に振り回されることなく、年金問題や社保庁の在り方、自衛隊の海外派兵の特別措置法などを粛々と審議することができるはずです。マスコミは視聴率目当てにアベ後任の茶番劇を特集するのではなく、国会中継をするべきです。

首相が執務を継続できなくなったときは、その代理は決まっています。今回は官房長官だと思います。すなわち与謝野さんでしょう。一体、彼は何をしているのでしょうか。昔、大平首相が選挙中に亡くなったときに、伊東正義さんが官房長官として首相代理を務められたことを思い出します。ケネディー大統領が撃たれたときは、直ちにフォード副大統領がその執務を代理したことも記憶しています。映画では、大統領に危機が訪れた時は副大統領がその執務の代理をする光景がよく出てきます。「インディペンデンス・デイ」などがそうです。総理大臣が職務を投げ出した瞬間から、国会すら開かれなくなるというこの国は、危機管理が全く出来ていません。美しい国だとか戦後レジュームからの脱却どころか、この醜い無責任体質は戦後レジュームの極致と言うべきでしょう。危機管理が大好きだったはずのアベさんはなぜ、首相代理を決めて「この人に任せるから平常心で国会を続けてほしい」と国民と議員に言えなかったのでしょう。いま後釜を狙って立候補している人たちも、なぜそのことを言わないのでしょう。国会を休会して自民党総裁選をするのではなく、首相代理の下で国会は粛々と開かれるべきでしょう。

アベさんはもともと国民の選挙で総理に選ばれた人ではありません。衆院選時の自民党総裁であったコイズミさん以外の人なら、誰が総理になっても国民からすれば談合です。談合でもいいですから誰かを直ちに首相代理に選んで、国事をしてほしいと思います。辞めたのはたったひとりの社会経験のない幼い国会議員です。残りの国会議員は全員揃っているのですのですから、国事をしっかりやるべきです。それこそ、いま北朝鮮からミサイルが飛んできたらどうするのでしょう。

ボク達はもう少し怒らなければならないと思います。憲法論議は9条改訂よりもまず、首相が後任を決めることなく職務放棄をしたときには、国家に多大な損害を与えたものとして国事犯として刑務所に入れる、というような議論して欲しいと思います。首相の気が狂ったときに、国会や内閣はすべての国事をサボることなく遂行するべきであることを明記ししてほしいと思います。引退は、格好良く行きたいものです。SK


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