2009年6月のメッセージ

空港でマスクをつけているのはテロリスト

ここ4週連続、海外出張が続いています。毎週日曜に日本を出て、水曜か木曜に帰ってきます。シンガポール、ヘルシンキ、バルチモア、そしてギリシャです。帰国のたびに驚かされるのが、空港職員のマスクです。入国検査員と税関職員と警備員の全員が、白くて大きなマスクをして旅行者を迎えます。旅行者にとって非常に不気味で、恐怖感を煽ります。飛行場や銀行などで大きなマスクをして自分の顔を隠す人は、普通の国ではテロリストか銀行強盗です。大きなマスクで自分の顔を隠していると、治安部隊に銃を構えられて連行されます。特に、飛行機や電車の中など逃げることのできない閉じられた空間では、マスクや覆面、手拭いで顔を隠すのは厳禁!警察に撃ち殺されても文句言えません。


一方、自分の顔やからだをさらけ出して裸で騒いでいる人は、まったく危険ではありません。警察は、草彅君を逮捕したり家宅捜査をするのではなく、マスクをしている人を職務尋問して下さい。


マスクをしてもいいのは病院の手術室や生物実験室と、自分の家の中だけです。ETという映画のシーンに、ETの友達エリオットの家に毒ガスマスクをした人たちが彼を捕まえに来るシーンがありました。世界の国から日本の空港に到着する人たちは、宇宙から感染菌を持ってきたエイリアンということなのでしょうか。


成田空港では、テロリストはマスクをして簡単に空港職員に化けることができます。空港だけではなく、電車の中も街中でもテロリストは日本で自由に活動ができそうです。世界では、インフルエンザよりもテロの方がはるかに危険と考えますが、日本ではテロよりもインフルエンザが怖いのです。いったい何のための入国検査なのでしょうか。


新聞は連日、国別インフルエンザ患者数ランキングを大きく載せます。何のためなんのでしょう。海外では、日本でインフルエンザが流行っていることではなく、インフルエンザに大騒ぎしていることが、ニュースになっています。私の属する大学も、海外渡航の教授は10日間自宅謹慎させ、授業は1週間インフルエンザ休みになったそうです(私が出張中のこと)。ただの一人の患者も出ていないのにです。普通は、学級閉鎖とはクラスにインフルエンザで来れない生徒が多数出てきて、授業が成り立たなくなったときに執る措置です。最初はクラスごとです。インフルエンザにかかっている人だけが、学校に来てはいけないのです。


学者仲間に言ってみても、まあ、たまにはこんなことも面白いじゃない、いざというときの練習にいいんじゃあないですか、と躱されます。一人も死亡者が出ていないのにこんなに大袈裟をしてパニックっているようでは、ミサイルでも落ちて来たときにはどんな騒ぎになることやら。そういや、こないだ北朝鮮がミサイル実験をしたときに、誤報のの臨時ニュースが流れてマスコミが大騒ぎをしていました。今回も「千葉県に1人陽性の患者が発生」などといったニュース速報がテロップがテレビに流れます。一人の患者ですよ。深度1の地震をテロップで流すようなものです。コーロー大臣もまた、いつものようにテレビ記者会見をして大はしゃぎをしておられます。もうすこし冷静になれないものでしょうか。


この国のテレビ放送や新聞などのマスコミの大衆扇動は、もはや危険水位を超えたように思います。まるで大本営発表の如きです。事件がなければ皆がテレビを見てくれないものだから、何か話題を探して、それを事件に仕立て上げて大騒ぎをします。そうしなければ視聴率が上がらず、広告収入が入らないと考えられるのでしょう。新聞も同じです。


私はいつも、「この人民ありてこのマスコミあるなり」と言ってきました。福沢諭吉の「この人民ありてこの政治あるなり」をもじったものです。諭吉は、日本の政治がバカなのは政治家を選ぶ国民がバカだからだと考え、「学問のすゝめ」を書きました。私はこれと同じように、日本のマスコミが無教養だったり下品だったりするののは、視聴者が無教養で下品だからそれに合わせるているのだと考えていました。


しかし、最近ではどうやらマスコミは国民の知性レベルよりも低次元になってるように思います。そして、危険な国家的扇動機関になっています。北朝鮮のテレビ放送のアナウンサーの話し方を気味悪く感じるのと、同じ怖さを感じます。


マスコミは視聴率稼ぎのために、事件を作り上げます。今回の豚インフルエンザ騒ぎもそうですが、それ以外にもオザワさんの秘書官逮捕やクサナギ君の逮捕家宅捜査など、できるだけ大袈裟に事件を盛り上げます。警察や検察やコーロー大臣・ソーム大臣が、マスコミを上手く利用してます。人民主義が危険であることは、今年3月のメッセージに書きました。マスコミの人たちは猛省して欲しいと思います。


毎朝、テレビではどのチャンネルでも日本の新聞を紹介しています。せっかくなら、日本の新聞ではなくて欧米の新聞を紹介しては如何でしょうか?世界でいま何が話題で、世界がいま日本をどう見ているかを紹介してはどうでしょうか。そうすれば、不況についても豚インフルエンザについても、クサナギ君事件やオザワさん秘書逮捕事件も騒ぐことではないことに気づくと思います。そして、東京地検からのリークを匿名で事実の如く一面に書いて国民を扇動する新聞社も、世界の新聞と競うまともな新聞になれることと思います。


出所を明らかにせず記者の名も明らかにせずデスクの名前も明らかにせず記事を新聞の載せるジャーナリストは、大きなマスクをしたテロリストや銀行強盗と同じです。


今回の豚インフルエンザは空気感染ではありません。国とマスコミが感染源です。アナウンサーもコーロー相もマスクをつければ、この国はもっと静かに冷静になることでしょう。SK


追記。6月3日、2泊1.5日のバルチモア出張から帰ってきました。成田についたら、水色の消毒服に大きなマスクをした検査官が3人、機内に入ってきました。「顔を見せろ」と言いたかったのですが、乗り継ぎの時間が短かったので、遅れては困ると思い諦めました。乗り継いだ飛行機は、エアバス320−A200。前日に大西洋で行方不明になったエアフランスのパリ発リオ行きのフライトの一つ下のモデルです。私は豚インフルエンザよりも飛行機事故の方が恐怖でしたが、日本では他の国のように大ニュースにならなかったので、乗客も乗員も知らないようでした。ちなみに、今年1月にニューヨークのハドソン川に不時着したUSエアーズも、昔にフランスの航空ショーでテレビ放映中に墜落したのチャーター機もこの機材です。だからといって他のマシンと比べて決して危険ではないのですが、それでも豚インフルエンザよりは大勢の人が亡くなっています。


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