2013年4月のメッセージ

月曜がお休み?

出張や旅行で海外に行って困ることの一つは、祝日が日本と異なることです。日本と違ってヨーロッパでは日曜や祝日は街のほとんどのお店がお休みです。銀行や郵便局、警察の派出所、大使館・領事館もお休みですから、旅行者には要注意です。時差には気をつけて旅行をするのですが、国によって祝日が違うことは忘れがちです。鉄道ダイヤも異なります。海外での学会の前後に研究室を訪問しようと思っても、祝日に重なると大学や研究機関もお休みです。日本に来る研究者も、同じことを日本で経験をします。

しかしもうすこし正確にいうと、日本に来る研究者がもっと大変なんです。なぜなら、日本は世界で断トツに祝日の多い国だからです。

日本にはなぜこんなに祝日が多いのでしょう。それぞれの人がそれぞれに休みを取る制度ではなく、日本では国の管理の下で国民こぞって一斉に休暇をとります。祝日をこんなに増やした役所の方々にもいろいろ言い分はあるでしょうが、明らかにやり過ぎです。日本中の会社は祝日のたびに一斉休業にさせられて、その結果として日本の産業はしばしばビジネスチャンスを失い、国際競争力が奪われます。

そして、今年もゴールデンウイークに入りました。この一週間に観光地は混雑し、道路は渋滞します。その後は閑古鳥です。

日本の祝日制度の中でも特に悪質なのは、振替休日です。振替休日とは、土曜日曜に祝日が重なると月曜を休日に振り替える制度です。

今年はなんと、年間52回の月曜日のうち11回の月曜日が休日です。ここまで月曜の休みが多くては、大学では月曜の授業は成り立ちません。今年のゴールデンウイークは月曜が2回連続して休みになるので、次の授業は3週後です。休講が続けば、学生はそれまで習ったことを全部忘れてしまいます。9月にも、2週連続月曜が休みになります。
 
私の研究室では、毎週月曜の朝に研究スタッフによるミーティングを行います。一週間のお互いのスケジュールや行事を確認し合い、一週間の研究室運営の方針などを決めます。週の最初が肝心なのでこれにはスタッフ全員が参加します。その後は学生のセミナーや個別のグループミーティングが続きます。私自身は、これらに加えてやはり毎週月曜に開かれるセンターの会議や会社の開発会議に参加します。火曜日以降はそれぞれが個別のスケジュールを持ち、出張したり、研究したり実験したり、営業をしたり、活動形態は人によって異なります。

その肝心要めの一週間の始まりの月曜がいきなり、しかも頻繁に休みになるのです。2週連続月曜が代休ということすらあります。出鼻を挫くとはまさにこのこと。月曜休日のメリットはありません。

私は研究室のメンバーに、月曜の朝だけは十分早く来て下さいとお願いしています。まず一週間の予定を立てて皆と打合せをして、それから研究に取りかかる。予定より早く実験が進めば、週の後半、木曜金曜はサボってもいいですよ。途中で疲れてしまったら、適当に休んでもいいですよ。でも最初からサボるのはダメです。土日にしっかり休養して英気を養い、月曜の朝は最高の状態で来て下さい。授業も途中から来ないで下さい。最初から受けてください。分かったような気になったら早く帰っても構いません。疲れたら途中で帰っても構いません。しかし、途中から授業を聞いては話に付いていけません。映画も芝居も、最初から見る事をお勧めます。途中からでは折角のストーリーが分からないでしょう。小説も、最初から読みましょう。面白くなければ途中で投げ出しても構いません。でも途中から読み出すのはダメです。

月曜の授業が何度も休講されるのは、日本の教育の不幸です。月曜の休日の連続は、国家の損失です。振替休日を作りたければ、金曜日にしましょう。ドイツでは金曜が休みという組織もありますし、実質的に金曜には出勤しない人も多くいます。週の初めから休みでは、一週間がだれてしまいます。

理髪店・美容室は月曜日が休みです。昔はデパートも月曜日がお休みでした。月曜日に休むのは土日に休めない人たちに限るのが良いと思います。

そう言いながら連休の月曜日、しっかり休ませていただきました。そのお陰で、今月のメッセージもアップ!?


2013年の世界の月曜の休日(JETROのホームページから)
日本:11日
ドイツ:2日、フランス:3日、イタリア:1日、イギリス:4日、ロシア:2日
韓国:1日、中国:4日、インド:0日、オーストラリア:1日
アメリカ:5日、ブラジル:1日

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