2015年7月のメッセージ

Apple Watch?


2年2ヶ月前に「Googleめがねは失敗する?」と題したエッセイを書きました。Googleめがねは、視野を妨げるし汗をかいたり雨が降ったりしたらとても鬱陶しい、ウエアラブルは嫌いだと言うことを書きました。Steve JobsはiPod、iPhone、 iPadを作って皆の生活を変えてくれたけれども、iWatchのようなウエアラブルは企画しないだろうとも書きました。


それでも私は、AppleWatch発売の日の発売開始時間に並びました。


ちょうど、iPhone発売の日のあの朝のように。もし買うならば、人よりも先でなければならないのです。科学者の性です。人より後に発表しては、発明者・発見者にはなれません。科学者は世界一である必要はないけれども、世界最初でなければならないのです。そして1ヶ月近く待って、ようやくAppleWatchを身につけるようになりました。


iPhoneの登場で腕時計をつける機会がすっかり少なくなった私には、久しぶりの腕時計はまさに腕を鎖で繋がれた気分です。私が時計をつける場面は、パーティーなどの公的な場所か時差のある海外を移動する時に限られていました。最近、それらの場面に相応しい超高級時計と世界中どこに行っても使える電波時計が数多く発売されてきました。しかし、どちらも私にはやたら分厚くて大きくて重いのです。海外出張の時はカシオのディジタル表示の時計を使ってきたのですが、最近ついに動かなくなってしまいました。新製品は分厚くて重くて、たくさんの針がそれぞれの軸をまわり、都市名などの文字が小さく、リューズの使い方が難しそうです。合わせるべきその都市名が小さくて見えません。アスリートや登山家向けになら、ディジタル表示の時計もありますが、気圧や位置を測るために、大きくて重い腕時計しか見つかりませんでした。


そこに、AppleWatchの登場です。重さはわずか30g!!


何人かの人からは、最初の製品は初期不良が発生するから買わない方が良いでしょう、二つ目のモデルが出るまで待つべきでしょう、とアドバイスされました。その通りだと思います。しかし、もし買うのなら最初でなければ科学者失格です。海外出張も目白押しです。


結局買いました。


そして、汗をかく時は時計はしないと言う信念に反して毎日AppleWatchを腕につけています。使い勝手を聞きかれます。尋ねた人にAppleWatchで電話で話をしてみせて、LINEに話しかけてSiriの音声認識がいかに優れているかを見せびらかして、カレンダー、天気、脈拍、世界時計などなど、自慢します。みんなが羨ましがってくれるので、これですっかり元手を取り返した気分です。シンガポールでのディナーでも皆の中心にいましたし、国内のいろんな集まりでも同様です。これが数ヶ月すると、もう誰も私の時計に見向きもしなくなるでしょうがそれで結構、もう十分です。


なぜ、汗をかくときもAppleWatchが放せないないかというと、Activityというアプリのせいです。これで毎日、何キロカロリー消費したかとか、何分エクササイズをしたかとか、あるいはサイクリングやウォーキングのデータが蓄積されて、そしてメダルがもらえるのです。以前にiPodとNikeとのコラボのランニング・センサーで世界の人とランニング競争したことを思い出します。


ウエアラブルが気に入らないのに、ウエアラブルに繋がれています。


でも、これはiWatchではありません。AppleWatchです。Steve JobsはiWatchは作らなかったのです。私はSteveがApple社にいない間もずっとMacintoshだけを使い続けてきて、PCは一切使ったことはありません。彼を裏切ったわけではないのです。2年前のメッセージでもウエアラブルは嫌いだけれど、AppleWatchを買わないとは書いてませんよ。



先月に「言い訳をして得をすることはありません」と書いたばかりなのに、、、、、。


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